「重要じゃないことに時間を割く」

 

作業療法士は経験がものを言う職業なのか。
もちろん、答えはノーである。


しかし、実際のところ経験が浅いものに比べ経験年数を重ねたセラピストのほうが知識量や引き出しの量が多いことは圧倒的である。

 

臨床と教科書は別物だ。疾患に対し治療がうまくあてはまるかは各患者次第である。その、「うまくあてはめる」技術は経験を重ねていくことでしか習得できないのではないか。

…と、就職して8か月経過した新人は感じている。

 

 

ならば、自分自身のスキル不足を埋めるためにはどうすればいいのか。

経験値の少ない自分ができること…手技などの技術的な研修会(ボバースとか、川平法とか)に参加してスキルを磨くのがいいのじゃないか?!そう思っていった私に対し先輩は

 

「それよりもっと学ぶことあるんじゃない。」「重要じゃないと思う」

 

( ^ω^)・・・怒

 

だったら何を学べばいいのか!?それを教えてくれ!!!
七つの習慣には「緊急じゃないが重要なこと」の時間を増やすことが大切だと記載してあった。手技に関しては新人のうちに、学んでおいて損はないんじゃない?先輩の枠組みや経験上、必要なかったかもしれないけど、ただやろうとしてること、やる気になっているのに否定するだけ…ヤナやつ!!!

 

という思いが駆け巡った。

 

その時はとっさに否定的に受け取ったが、今になって思えば先輩のその一言は頭でっかちになってる私に考えさせるきっかけをくれた。

 

もちろん、手技を学ぶのは緊急じゃないが重要なこと。けど、その中にも緊急の順位というのはあって、私はまず基礎的な知識不足、目の前の患者をよくすることに集中したほうがいい。目の前の患者に付随した知識や技術から学んだほうが相互のためにもなる。私はあれこれ手をつけてしまって結局何も実を結ばないことが多い。
そういうのも含め、先輩の思う「重要じゃない」の声掛けがあったのかもしれない。

 

先輩の言うことは多分正しい。しかし私は手技を学ぶことに関してはいずれしたいと思う。職場は麻痺の回復が緩徐な科患者様が対象なこと、それも含め職場の先輩は手技の講義に行く人は少ないことから、緊急性はない。今の私にとっての重要度も低い。
でも、私はこの病院で一生を働く気持ちはない。なんなら、OTの領域だけじゃなくてオールラウンダーになりたいとも思う。あと雑貨屋さんもしたい。でも本当を言えば働かずだらだらおいしいもんたべてたい。これに関しては本当に非現実的だけど、私はまだ23歳。若いから何とでも言わせてくれ。

 

 

…少し脱線した。
今日の一件から、否定されたことに対して嫌な気分になるのじゃなく、どういう心理でそう言っているかを考えていくことができた。インサイドアウトの視点で考えることができたことは私にとっての1歩である。


結局、経験年数の浅い私がスキル不足を補う方法の結論はでない。今の私ができることは自分自身の足で、五感で学んでいくことだ。来年はいろいろなとこに赴いて、時に遠回りしながらも自分のために引き出しを増やしていこうと思う。